家庭運営の公平分担なんて論理的には語れない。
みんな大好き家事・育児の分担論
巷で定期的に話題になる「家事・育児の分担」について。
今日も元気に大人気のようです。
しかし、この手の話題になると必ず出てくる発言がこれ。
「収入を考慮に入れたら家事を公平になんてむしろ不公平だろ」
こういう人が専業主婦(子無し)家庭である我が家の状況を見ると発狂するんだろうなぁ、と思ったので、今日は私と夫の家事分担を晒してみることにしました。
専業主婦を望んだ夫、家事も頑張ってくれています。
私:専業主婦。慢性疾患(寛解)あり。ぐーたら属性。
夫:私企業の研究職。休日はカレンダー通り。愛妻家。
そんな我が家の家事分担(平日)(n・ω・)nドン
夫が「家事を手伝って、いい夫アピールしたい」と言ってくれたので、夕食後の茶碗洗い(ついでに炊飯器セット)とお風呂の準備をお願いしています。「専業だからいいよ~」なんて可愛いことなんて言わず、垂涎しながら甘えております。
そして、問題の家事分担(土日)(n・ω・)nドン
石を投げないでくださいおねがいします。
「サラリーマンは土日休みなんだから、専業主婦も土日しっかり休んで」という言葉に甘えに甘え、土日は何もしていません。朝は夫に優しく起こしてもらい、布団から出てソファでゴロゴロしていたら食事が並び、洗濯機のスイッチを押したら*1夫が干して取り込みまでしてくれる。デートの後で一緒に買い物をして、晩御飯も作って後片付けまでしてくれる。
ああ、なんて優雅な休日。ぐーたらですいません。
こんな、どう見ても妻優遇の家事分担でも、夫は納得どころか「いつも家事してくれてありがとう」と毎日感謝を表明してくれます。ひょっとして私は聖人とでも結婚したのでしょうか。
「負担」の定義は人それぞれ。
たとえ私がフルタイムで働いたとして、夫の3分の2程度の収入*2を家に入れたとしても、家事分担を3:2で私が受け持つことは物理的にできません。
幸か不幸か、私はステータスが知力と運に極振り(運>知力)されているので、体力や腕力、敏捷性がほぼ初期値レベルで貧弱です。残業ありのフルタイムで仕事をすると休日含めて他のことをする体力が尽きます。しかも持病が再発したら困るので無理が利きません。精々2:8が関の山です。
しかし私が専業主婦になった理由はそこではなく、夫が大の家事嫌いだからです。
研究大好き、仕事大好き、でも炊事掃除洗濯は面倒、金銭管理なんて考えるだけで頭が痛くなる、と豪語する夫。ちなみに管理職も向いていない、と仕事では専門職の道を進んでいます。
そんな夫にとって、家事を全て任せることは負担を大きく軽減させる行為。金銭的には10:0でも負担感は夫婦で平等、むしろ負担を押しつけすぎてはいまいか、簡単な家事なら手伝うからゆっくりしておくれ。
といって現在の家事分担に至っています。家事に負担を感じない私にとってはまさに渡りに船。いい旦那様に見初められました。やったね。
同一の負担が同一の賃金を生み出すなら負担の量で公平分担すればいいけれど、同じ拘束時間と同じ労働量で得られる賃金は人によって差が出てくるし、そもそも同じ労働でも負担感は人それぞれだから、同一の負担量でも、内容によってはお互いが「自分のほうが大変」と思う可能性もあります。
夫が専業主夫になったらきっと「自分のほうが頑張ってる」と思うだろうし、私が大黒柱になったら「しんどいよ立場代わってよ」と思うことでしょう。
家庭の運営で大事なのは、お互いを思いやる気持ちかもしれない。
夫には家事の全てを私に任せるという選択肢もあります。世間的に見ればそれが一般的で、おそらく誰からも文句は出ないでしょう。
そんな中で夫が私の家事を一部負担してくれる理由は
「楽に生活してほしいから」
口癖のように言ってくれます。「楽できてる?」
そんな夫に快適に過ごしてほしいから、私はいつ人が来てもいいレベルで清潔な家を維持するし、帰宅時には21~22℃/45~50%になるよう温湿度を調節するし、細々とした物品を絶対に切らさないし、帰宅タイミングで温かいごはんを提供できるよう時間調整をしています。夫の仕事話についていけるよう、専門の基礎領域は独学しているし、Web上で見られる業界の情報はマメに目を通してもいます。
このぐーたらな私がここまで気配りするのは、やっぱり夫が日々感謝を表明してくれているおかげなんですよね。これが「専業なんだから家事なんて当然」なんて言われたら絶対に拗ねます。超絶テヌッキーになります。
逆に、私が夫一人では成し得ない快適環境を提供して「いつもお仕事ありがとう(じゅるり)」しているからこそ、夫は私に優しくしてくれているのだと思います。きっと夫も「専業になってって言ったんだから仕事して当然でしょ」と言われたら一瞬で冷めると思います。
お互いがお互いに感謝し、相手の助けになりたいと思う、そんな気持ちが「私でよければ喜んで」と分担を請け負う力になるのかなぁ、と。
そう思える相手に出会うのが大変だから、自分は結婚なんてしないだろう。
そんなふうに思っていた時期が、私にもありました。
人生、何が起こるか分からないものですね。