くすりになるはなし。

ほんわかする話から惚気話まで。

電車の中で見かけた母子に対する考察っぽい何か。

先日見かけたこちらのエントリー。

www.fair-skinned-monster.com

プチ炎上しているようですが、この御方が家庭・育児関連の話をすると大体ボヤを起こすので、そこは日常の風景としてスルーするとして。

これを見て、私の夫から聞いた話を思い出しました。

 

その日、夫は転職の1次面接のために特急電車に乗っていました。2時間ほど揺られた後、新幹線に乗り換えて大都会へ行く予定。都会うらやま。

通勤時間帯ということもあってそこそこ賑わっていたのですが、そこは車社会の田舎電車、立ち客が少しいるくらいでガラガラすぎて困惑するくらいの混み具合だったそうです。当駅始発に乗って悠々と4人席を確保していました。

通路を挟んで反対側に、一組の母子が座りました。夫いはく、アラフォーくらいの母と、幼稚園生くらいの子。大きな荷物を持ち、向い合って座っていた親子はいたくピリピリしていたそうな。

「別にそんなに騒がしいわけじゃないのに、少し喋ったりすると母親がイライラしてすぐ八つ当たりっぽく怒るんだよな。母親がDQNっぽくてなんか子どもが可哀想だった」

 

私は夫に言いました。

「もしかしたら、その母親が父のDVから子どもを連れて命からがら逃げ出して、遠くの親戚のもとに駆け込むために遠出しているのかもしれない。

それとか、専業主婦が大黒柱を失ってシングルマザーになってしまったけれど、田舎に就職口がないせいで故郷を離れて都会に住むために移動中で、明日の生活も見えないような状態なのかもしれない。

そう考えたら一概に母親を責められなくない?」

夫は目を丸くして

「あー、それなら気持ちが分からなくもない気がする。そういう考え方もあるのか」

景色がワッと広がったことに感動していました。

いや旦那様、あくまで可能性の1つであって、別に壮絶な人生を送っている親子だって確定しているわけじゃないからね。(たとえ虐待案件だったとしても)背景を無視して親だけ責めても人を壊すだけだっていう例えで出しただけなんですからね。

 

夫はこと『家庭』というものに対しての視野が狭いです。私の実家に行ったときですらカルチャーショックを受けていたくらい、夫の中の家庭像は自分の実家が基準であり常識になっていました。その常識フィルターで見ると、イライラしている母=嫌な感じ、という風に見えたのでしょう。

それも私には、夫の母が自分の都合のいいように子どもをコントロールしようとするときにイライラという手法を使う人で、それに対する嫌悪感をその親子に投影しているように見えました。

通りすがりの親子の言動に環境という背景があるように、夫の発言にも環境という要因がある。

人って難しいなぁ、と思う私なのでありました。

 

私にできることは、知らない親子を責めないこと、夫に別視点から見た風景を提供すること、このくらいなんですよね。

広い世界から見れば、私ってすごく無力だなぁ。

知ってたけど。